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ICU.CCU.ER.COVID-19 感染者病棟で勤務しています。このblogでは『健康になる。健康を維持する。』をテーマにした記事を投稿します。

【アフターコロナ】コロナにかかった後すべき事【肺のリハビリ】

全国的にコロナウィルスの感染者数が落ち着いてきました。因果関係は不明ですが個人的にはワクチン効果だと思っています。何故ならワクチン摂取済の方は基本的に無症状である場合が多く、感染していても無症状故に検査段階に進んでいないのではないかと推測しています。つまり本当の感染者数は減っておらず、我々の感染リスクは減っていないと感じています。

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ワクチン摂取済み患者さんの多くは軽症で退院する事が出来ている一方で、まだワクチン摂取できていない方は入院時より投与していた酸素を中止できず自宅酸素療をしたり、安静時には症状がなくても労作時に症状が強く出てしまう人もいます。病床が足りず自宅療養を余儀なくされている方も多くいらっしゃると思うので今回はコロナ感染中〜感染後まで使える呼吸リハビリテーションについて書いていこうかと思います。アフターコロナの世界も考察します。

コロナ患者の肺をCTで観察するとこうなっている場合が多い

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新型コロナウイルス感染症肺炎 | COVID-19有識者会議

これは肺の画像です。CTは仰向けで撮影するので下側が背中です。

肺の中は通常空洞です。CTは密度が低いと黒く映り、密度が高いと白く写ります。骨なんかは密度が高いので白く写っていますね。

黒く囲った部分が白くなっている事が分かりますか?この肺は繊維化して硬くなっているので白く写っています。肺を囲っている肋骨ほどの密度ではありませんが下の皮下組織と同程度の密度である事が分かります。

 

この肺では酸素を体内に取り込むどころか肺が硬く潰れてしまっていて空気が肺の中に入ってすらいない箇所が出来てしまっているのです。逆に肺の上部はちゃんと空洞があり空気が入っている事が分かります。

この肺では普通に呼吸をしていても酸素が半分程度しか入ってきていない状態になってしまっている。だから、苦しい。

ではそうしていくのが正解なのだろうか。

姿勢を変えるだけで呼吸が楽になる。VQミスマッチを解除せよ。

人体の中で唯一酸素を運搬できる成分が「ヘモグロビン」です。ヘモグロビンは血液中にのみ存在しています。血液は通常重力に従って流れます。ですので上の画像の様な状態の人が仰向けの姿勢でいると硬くなり酸素化が出来なくなった肺に多くの血液が流れ込んでいる状態になっているのです。これではヘモグロビンに酸素が行き渡らずに低酸素となってしまいます。この状態がVQミスマッチ(換気血流比不均衡状態)です。

ではどうしたらいいのか。答えはこちら。

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うつ伏せになることによって酸素化が維持できている側の肺をうまく使うことができます。

重力に従っているので血液とのガス交換もできます。これはVQミスマッチの解除法です。

※図にしてみました

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繊維化した肺は回復するのか

全く分かりません。通常肺繊維症や間質性肺炎は似たような症状を呈す事がありますがどちらも症状の進行を抑え残存機能を上手く活用しながら生活していく事が目標となる事が多いようです。コロナウィルスによって作られた肺の繊維化がウィルスの死滅と共に肺も正常化するのかは今の時点ではなんとも言えないなと感じています。

 

しかしながら退院後のCTで綺麗な肺に戻っていたり、肺炎像は残存しているけれども症状は消失し酸素を全く使用せず日常生活に戻れる人も多くいます。まずはうつ伏せの姿勢で酸素化を維持できる様な習慣を獲得してみてはどうでしょうか。

また、弱った肺は他のウィルスにも弱くなっています。感染予防を心がけた生活をしていく必要がありそうですね。

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こちらの記事では家庭でも行える感染予防について解説しています。

新しい生活様式はいつまで続くのか

結核は国民病となり一時期我が国でも死亡原因のトップでした。しかしストレプトマイシンという特効薬の開発により死者は激減、今や結核で亡くなる人の方が珍しくなったと言えます。新型コロナウィルスでも特効薬が出来ると良いのですが、常に変異を作り出す性質上なかなか難しいと思います。従ってこれからは人と人の距離が遠くなる時代が到来するのではないかと予想します。何故なら副反応のリスクを差し置いて全国民にコロナワクチンの接種を強制する事が出来ないからです。もし仮に一度の接種で永久的な効果を有するワクチンが登場したら話はまた変わってくるのかもしれません。そんなワクチンが出来るといいなと願っています。

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糖尿病についての記事です。糖尿病はコロナのリスクファクターであり、対策する事で罹患時の死亡率を低下できる事が分かっています。対策はどの年齢のどのレベルからでも効果的です。ぜひご一読を。